【IT初心者でも効率100倍】AI活用講座 第3回:AIは「現場監督」
レベル3・本講座の山場。デスクトップ版 Claude Code を入れて、AIにあなたのパソコンのフォルダを直接見て・触ってもらう。コピペ不要。最重要かつ最難関の「動作環境と関連データの整理」を、安全のしくみまで含めて解説。
第2回では、AIを 「データ変換器」 として、手元のデータを入れて別の形にして返してもらいました。便利でしたが、限界もありましたね。毎回コピペ・添付する手作業が残り、AIは渡した分しか見えない。
レベル3では、その壁を越えます。AIに、あなたのパソコンのフォルダを直接見て・触ってもらう段階です。コピペはもう要りません。指示を出すあなたは“発注者”、AIは現場でゴールに向かって作業をやり切る 「現場監督」。ここからはWebのチャットを離れ、パソコンにソフトを入れて進めます。本講座の山場です。
ここからはデスクトップ ― Claude Code を入れる
使うのは Claude Code。Claude のデスクトップアプリに含まれていて、自分のPCのフォルダを直接読み書き・整理・実行できるAIです。
導入は要点だけ(細かい手順は公式が一番正確なので、最後のリンクへ)。
- アプリを入れる:公式サイトから Claude のデスクトップアプリをダウンロード(Windows は .exe を実行、Mac は .dmg をアプリケーションに入れる)。
- Windows は Git も必要:ローカル作業に使われるので、先に入れておきます(これも公式の案内どおりで大丈夫)。
- 料金プラン:ローカル実行は Pro プラン(月20ドル〜)以上が必要です。
- 黒い画面(ターミナル)の知識は要りません。アプリを開いて、日本語で話しかけるだけです。
📷 スクリーンショット(後で差し込み):Claude デスクトップアプリのインストール画面と、起動直後のホーム画面
使い方の心臓部 ― 「どのフォルダの上に立たせるか」
正直に言うと、レベル3で地味に一番つまずくのが、ここです。でも身構えなくて大丈夫。理屈そのものはとてもシンプルなので、ゆっくり読めば必ず腑に落ちます。
アプリを開いたら、やることはシンプルです。
- New Session(新しいセッション)を選ぶ
- 「ローカル」 を選ぶ
- 作業したいフォルダを選ぶ(例:デスクトップに作った作業用フォルダ)
- あとは チャット欄に日本語で指示するだけ
ここが、レベル3で一番のキモ。Claude Code は、選んだフォルダを“拠点(ホーム)”にして働きます。
イメージは、現場監督に 「この現場(フォルダ)でお願い」と、ひとつの現場を割り当てる感じです。監督は、その現場の中にある材料や道具(ファイル)は自由に使えますが、よその現場や事務所の金庫(外のフォルダ)には、勝手に立ち入りません。外に出る必要があるときは、必ずあなたに「ここに入っていい?」と確認します(くわしくは次の「安全のしくみ」で)。
flowchart TB
CC(("Claude Code")) --> WORK
subgraph WORK[拠点にした作業フォルダ = ここを中心に作業する]
A[資料・原稿]
B[画像フォルダ]
C[Excel・CSV]
end
OUT[外のフォルダ・他のドライブ・秘密のファイル]
WORK -.->|外に出るときは必ず確認| OUT
つまり、「どの現場を渡すか(どのフォルダを拠点にするか)」が、すべての出発点。AIに任せる“持ち場”を決めることでもあります。この“拠点”の感覚さえ腑に落ちれば、レベル3の山はほぼ越えたも同然です。
一番大事なのは「データの整理」
拠点の感覚さえつかめれば、あとはやさしい。難しい概念はもうありません。一番大事なのは、AIに見せていいデータを、拠点にするフォルダへ整理しておくこと。やることはこれだけです。
- 見せていいものは、拠点にする作業フォルダの中へまとめる(AIはここを“持ち場”として扱います)。
- 見せたくないもの(パスワード、個人情報、無関係なファイル)は、作業フォルダの外へ。本当に秘密のものは、そもそもこの作業に絡めないのが安心です。
- いきなり Cドライブ全体やデスクトップ全部を拠点にしない。持ち場が広すぎると散らかり、確認も大変。小さな専用フォルダから始めましょう。
第2回の「渡した分しか見えない」という限界を超える鍵が、まさにこれ。データが整理できている人ほど、AIは劇的に頼れる相棒になります。逆に、散らかったままだと、現場監督も力を出せません。
💡 何から整理すればいいか分からなければ、それもAIに相談できます。「この作業をAIに任せたい。どんなフォルダ構成にしておくと良い?」と聞けば、整理の段取りから手伝ってくれます。
安全のしくみと、許可の“スキップ”
まず安心してほしいのは、Claude Code は勝手には動かないこと。ファイルを 書き換える・削除する・コマンドを実行する 前には必ず「やっていい?」と確認が入り、あなたが承認しない限り実行されません(読むだけなら確認なし)。発注者のあなたがゴーサインを出すイメージです。機密データを拠点フォルダの外に置いておけば、なお安心です。
毎回の確認が面倒になったら ― 許可を“スキップ”する
使い慣れると、毎回「OK」を押すのがまどろっこしくなってきます。そこで Claude Code には、確認を省いて自律的に走らせるやり方が用意されています。
- 特定の操作だけ 「毎回OK」と事前に許可しておく(ほどよい時短)
- いっそ すべての確認をスキップして、AIに一気に走り切ってもらう(俗に「全部許可」「YOLOモード」。コマンドでは
--dangerously-skip-permissions)
確認がなくなると、AIはあなたを待たず、どんどん作業を進めます。速いぶん、ブレーキも外れるということ。便利ですが、扱いには注意を。
⚠️ スキップを使うなら 安全な場所で。大事なデータのない専用フォルダの中だけにしましょう。いきなり大事なフォルダで「全部許可」は禁物です。
そしてこの「確認を外して、任せきる」発想こそ、次回の レベル4「部下」――AIを常駐させ、あなたが見ていなくても働かせる段階――への入り口です。
何をやらせる? ― ローカルだからできること
ここからは実例。どれも あなたのフォルダの中で直接 動くので、コピペもアップロードも不要です。指示はぜんぶ日本語でOK。
ファイルの整理・一括処理
たまった大量のファイルを、人手では気が遠くなる作業も一瞬です。
このフォルダの写真を、撮影日ごとのサブフォルダに仕分けしてください。
ついでにファイル名を「日付_連番」に統一して。
「重複しているファイルを探して」「使っていない古いファイルを別フォルダにまとめて」なども得意です。
表・文書のローカル処理
フォルダ内のファイルを 横断して 扱えるのが、Webチャットとの大きな違い。
この「請求書」フォルダの中にあるExcelを全部読んで、
月ごとの合計を1つの表にまとめてください。
「この資料フォルダ全部に目を通して、要点を1枚にまとめて」といった“フォルダまるごと要約”もできます。
画像・メディアの一括処理
このフォルダの画像を全部、幅800ピクセルにリサイズして、
「web用」フォルダに保存してください。形式は JPG で。
PNG→JPG の一括変換、不要な余白の切り取りなど、定型のメディア処理がまとめて片づきます。
制作・開発寄り
コードやサイトを触る作業も、もちろん本領発揮。
このサイトのフォルダを見て、トップページの見出しを
「○○」に直してください。
「簡単な家計簿アプリを作って」のような“ゼロから作る”依頼も、フォルダの中に形にしてくれます。
📷 スクリーンショット(後で差し込み):フォルダを指定して指示を出し、ファイルが実際に整理・変換された before / after
⚠️ レベル2と同じ約束を。実行内容や結果は確認を。特にファイルの削除・上書きは取り返しがつかないので、承認前に「何をしようとしているか」を読むクセをつけましょう。
コラム①:要望の抽象度(レベル3編)― ゴールだけ渡す
抽象度の話も一段上がります。第1回は「具体的に頼む」、第2回は「出力の形を指定する」。第3回は、ゴールだけ渡して、手順はAIに任せる段階です。
このフォルダを、後から見て分かりやすいように整理したいです。
いい感じに進めてください。
現場監督は、フォルダの中を 自分で調べて → 計画を立てて → 実行します。あなたは細かい手順を考えなくていい。「何をしたいか(ゴール)」だけ伝えれば動きます。
コラム②:わからない言葉・エラーはそのまま見せる
途中でエラーや見慣れない言葉が出ても、慌てなくて大丈夫。そのまま見せて聞けばいいのは、これまでと同じです。
こういうメッセージが出て止まりました。(エラー文を貼る)
意味と、どうすればいいかを教えてください。
自分の環境(フォルダ構成や設定)ごと読ませて相談できるのが、ローカルで動くAIの強み。分からないことを、分からないまま放置しない――この姿勢があれば、初心者でも前に進めます。
まとめと次回予告
- レベル3は、AIに あなたのPCのフォルダを直接触ってもらう 段階。コピペ不要。
- 鍵は 「どのフォルダに立たせるか」=データの整理。見せていいものをまとめ、見せたくないものは外へ。
- AIは勝手に動かない。書く・実行の前に必ず確認。安心して任せられる。
ここまでは、あなたが呼んで、隣で見ている現場監督でした。でも、その先があります。次回(最終回)は、AIを 専用のPC/サーバーに常駐させて、任せきる「部下」 に。あなたが見ていなくても働き続ける段階へ進みます。
- 前の回:第2回:AIは「データ変換器」
- 次の回:第4回:AIは「部下」(公開準備中)
📎 導入の詳しい手順は、公式ドキュメント「デスクトップアプリを始める」が最も正確です(仕様は更新されることがあります)。